EXHIBITIONS

髙山瑞「山の端、切込み」

2023.04.29 - 05.26

lines-5 2023

地平面 2016

 銀座・蔦屋書店 インフォメーションカウンター前で、髙山瑞による展覧会「山の端、切り込み」が開催されている。

 髙山瑞は1993年神奈川生まれ。線を引き、木を彫ることで余白を浮かび上がらせ、その線と余白の関係性から形を生み出す彫刻家。近年では、自分自身の生活や人間の手振りから生まれる線や平面的要素に興味を広げ、書物、文字、活字、文学作品、文字絵などをモチーフに数多くの作品を制作している。

 初期作から近年の作品までをつなげる試みとなる本展では、木を主軸に年輪と作家の時間を交差させた初期の作品から、特定の意味を持たない即興性に富んだ様々な線を彫った最新のレリーフ作品まで、幅広く展示。

 彫られた木の鑿跡(のみあと)には、素材に対する視線や観察、そこから得た感触を手繰り寄せ確かめようとする姿勢が伺えるだろう。髙山の多様な制作にある一貫した時間・空間・次元の往来や交わりへの意識を存分に感じてほしい。