EXHIBITIONS

藤井光 「日本の戦争美術 1946」展(online)

オンライン開催
2023.04.26 - 05.31

藤井光 日本の戦争美術 1946

 2022年に東京都現代美術館で発表された藤井光の日本の戦争絵画をめぐるインスタレーション作品を、すべて解体・組み直して制作したボックス&インスタレーション作品《日本の戦争美術 1946》全153点が、オンラインにて公開される。

 本展は、第2次世界大戦からアジアを再び戦場化させていった冷戦を振り返りながら、その歴史に連なる現在進行中の戦争をとらえようとする試み。また、大規模インスタレーション作品が展示終了後にゴミとなる(消費される)問題に対して、作品が未来に回復されうるエコシステムを模索したうえでたどり着いたかたちでもあるという。

 本展の開催に際し、藤井は次のようにコメントを寄せている。「世界を冷戦が分断していく1946年、米国占領軍は日本の非軍事化にあわせて、第2次世界大戦中の日本軍によるアジア侵攻を主題とした絵画を接収していった。後年、東京国立近代美術館に収蔵される日本最大級の戦争画コレクションとなる作品群は、戦争を美的な現象として宣伝するプロパガンダなのか、あるいは美術的価値のある芸術作品なのか、敗戦国の戦争美術に生じる多義性を前に米国は迷 うこととなった。継続された戦争はいつ終わるのか。その終わりを未だ知らない人間の未来に正体不明の戦争画をつないでいく」。