ヴァチカンがVR・NFTギャラリーを開設へ。所蔵の名画がオンラインで閲覧可能

ミケランジェロやゴッホ、ピカソなどの美術品を収蔵しているヴァチカン市国が、そのコレクションをオンラインで公開するVRおよびNFTギャラリーを開設することを発表した。オープンは今年後半を予定している。

出典=プレスリリースより

 「ラオコーン像」をはじめとする古代ローマ時代の彫像が所蔵されているヴァチカン美術館や、ミケランジェロの天井画が描かれているシスティーナ礼拝堂などが存在するヴァチカン市国。その美術品や写本などの収蔵品をオンラインで公開するVRおよびNFTギャラリーが、今年後半にオープンを予定することが発表された。

 このギャラリーは、最新のAI、VR、NFTソリューションを活用するメタバースデベロッパーである「Sensorium」と、ヴァチカンのローマ教皇庁が主導する「人類の繁栄」を目指す非営利団体「Humanity 2.0」のコラボレーションによるもの。VRとデスクトップを通してヴァチカン所蔵の名画を閲覧できるという。

 Humanity 2.0の会長を務めているフィリップ・ラリー神父は声明文で、このプロジェクトについて次のように述べている。「私たちは、社会経済的、地理的な制約に関係なく、世界中の人々がより広く芸術にアクセスできるよう、芸術の民主化の方法を探るためにSensorium社と協力することを楽しみにしています。Sensorium社とのパートナーシップは、この目標をさらに一歩前進させ、最新の技術ソリューションを提供するものです」。

 ヴァチカン市国には現在、ミケランジェロやラファエロといったルネサンス期巨匠の作品から、マルク・シャガール、サルバドール・ダリ、ポール・ゴーギャン、ワシリー・カンディンスキー、ヴィンセント・ファン・ゴッホ、パブロ・ピカソなど近代画家の作品まで、約800点の美術品が収蔵されている。

 ヴァチカン市国の広報担当者はARTnewsに対し、今回のNFTを販売目的として使わないと主張し、次のように語っている。「Humanity 2.0.のプロジェクトの性質は、もっぱら社会的なものであり、商業的なものではありません。また、ここでのNFTは、必ずしも美術作品のかたちである必要はなく、チケットや他のオブジェクトを含むことも可能です」。

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