EXHIBITIONS

毒山凡太朗 個展「Let There Be Light −光あれ−」

2023.05.06 - 06.04

毒山凡太郎 Let There Be Light 2023 ©︎Bontaro Dokuyama

 LEESAYAで毒山凡太朗の個展「Let There Be Light −光あれ−」が開催される。

 毒山凡太朗は1984年福島県生まれ。2011年3月11日に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故によって、故郷である福島の状況が一変したことをきっかけに作品制作を始める。代表作に、高村光太郎『智恵子抄』内の「あどけない話」という詩をモチーフにした《千年たっても》(2015)や、「被災者」として一括りにされた帰還困難者のもどかしさや、帰ることのできない望郷の念を表現した《あっち》(2015)など。

 福島を皮切りに、沖縄、台湾、韓国、瀋陽、長春、ハルピン、サハリン等、日本の遺恨の地に実際に赴き、それぞれの歴史や教育、宗教や風俗など様々な情報に対しリアリティを持つ作品を制作。その過程で毒山は、当事者の話に耳を傾け、歴史からこぼれ落ちる人々の記憶や感情と向き合い続けきた。

 本展では、「復興」をテーマとする新作を展示。どんなに困難な状況であっても光に向かって生きていくほかない人間の性と根源的な強さ、これと相反して濃い影を落とす圧倒的な現実。様々な視点で戦後日本を考察してきた作家性を、存分に感じられる展覧会となるだろう。