Essays for Life

　駒込倉庫で中村直人による個展 「Essays for Life」が開催されている。

　本展は、中村が執筆したひとつの短編小説をベースに、小説を実空間へと立ち上げたインスタレーション。この物語に登場する家族は、故郷を追われ別の土地に移り住むことを余儀なくされながら、漠然と迫りくる終焉に対して、独自の身振りで抵抗あるいは逃走を試みている。

　戦争やパンデミックが起きているなか、小説「Essays for life」とそのインスタレーションは「死」の恐怖と直面しナラティブによって操作可能なことが証明された世界=物語のなかで、いかなる姿勢をとれば「生の様式」を保つことができるのか、その潜在的な可能性を発見するための実践行為と言える。