2023年度第1期コレクション展

　愛知県美術館で、2023年度第1期コレクション展が開催される。

　本展では、愛知県美術館、ワシントン・ナショナル・ギャラリー・オブ・アート、フィリップス・コレクションで共同調査を行った同館所蔵の作品、パブロ・ピカソ《青い肩かけの女》（1902）が特集「こだまする芸術」にて展示されている。

　3館の共同調査では、光を波長ごとに細かく分けて撮影できるハイパースペクトルカメラを用いて、非接触、非破壊の分析を行った。それによりピカソ《青い肩かけの女》の下層に、大きく俯いた別の人物像が描かれていたと思われる描線を発見。またそのポーズは「青の時代」のピカソ作品に頻繁に登場する、大きく俯いた姿と類似している。

　加え、ピカソはこの人物像の輪郭の一部を利用してその上に《青い肩かけの女》を描いていることから、本作はピカソの制作プロセスの一端が垣間見える貴重な事例とも言える。