EXHIBITIONS

さばかれえぬ私へ Tokyo Contemporary Art Award 2021-2023 受賞記念展

2023.03.18 - 06.18
 東京都現代美術館で「さばかれえぬ私へ Tokyo Contemporary Art Award 2021-2023 受賞記念展」が開催される。

 東京都とトーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)は2018年より、中堅アーティストを対象とした現代美術の賞 「Tokyo Contemporary Art Award(TCAA)」を実施してきた。各回の受賞者は2組で、複数年にわたる支援の最終年に東京都現代美術館で受賞記念展を開催している。

 今回の展示に参加する第3回の受賞者は、志賀理江子と竹内公太。

 志賀は1980年愛知県生まれ。2004年ロンドン芸術大学チェルシー・カレッジ・オブ・アーツ・アンド・デザイン卒業。2008年から宮城県に移り住み、その地に暮らす人々と出会いながら、人間社会と自然の関わり、死の想像力から生を思考し何代にも溯る記憶などを題材に制作を続けている。

 竹内は1982年兵庫県生まれ。2008年東京藝術大学美術学部先端芸術表現科卒業後、現在は福島県在住。パラレルな身体と憑依をテーマに、時間的・空間的隔たりを越えた活動を展開し、メディアと人間との関係を探りながら、作者自身と鑑賞者の疑似的な共有経験を提供してきた。

 東日本大震災の爪痕が大きく残された宮城、福島をそれぞれの拠点として活動する両者。本展で志賀は、2011年の被災後に突如始まったあらゆる分野での復興計画に圧倒された経験を人間が 「歩く」営みとして捉えなおした作品を、竹内第二次世界大戦時の兵器 「風船爆弾」のリサーチにもとづき、過去の出来事ーアーティストー鑑賞者の 「憑依の連鎖」による新作を発表するという。
 
 会場では、受賞者それぞれの作品発表の場という枠組みを超え、展覧会タイトルの考案をはじめ、制作段階からの意見交換など、お互いに対話を重ねることでつくり上げられた展示空間が楽しめるという。


主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 トーキョーアーツアンドスペース・東京都現代美術館