EXHIBITIONS

新版画 進化系UKIYO-Eの美

2022.09.14 - 11.03

エリザベス・キース 藍と白 1925(大正14) 千葉市美術館蔵

橋口五葉 化粧の女 1918(大正7) 千葉市美術館蔵

吉田博 大原海岸 1928(昭和3) 千葉市美術館蔵

小早川清 近代時世粧ノ内 一 ほろ酔ひ 1930(昭和5) 千葉市美術館蔵

ヘレン・ハイド 入浴 1905(明治38) 千葉市美術館蔵

バーサ・ラム 川面にて 1912(明治45) 千葉市美術館蔵

 千葉市美術館で展覧会「新版画 進化系UKIYO-Eの美」が開催。版元・渡邊庄三郎の試みに始まる「新版画」の展開を紹介している。

 新版画とは、江戸時代に目覚ましい進化を遂げた浮世絵版画の技と美意識を継承すべく、大正初年から昭和のはじめにかけて興隆したジャンル。絵師・彫師・摺師の分業による伝統的な浮世絵版画の技術を引き継ぎながら、同時代の画家による清新な表現を合わせようとした最初の版元・渡邊庄三郎(1885〜1962)に続き、昭和に入っていくつもの版元が参入して、大きな流れとなった。

 本展は、千葉市美術館が誇る新版画コレクションから、その歴史を通覧するもの。橋口五葉の《浴場の女》や伊東深水の《対鏡》といった最初期の初々しい名作から、川瀬巴水の情感豊かな日本風景や吉田博の精緻な外国風景、山村耕花や吉川観方による個性的な役者絵を経て、昭和初期のモダンガール(モガ)を鮮烈に描いた小早川清のシリーズ《近代時世粧》に至る、新版画の成立から発展型への歴史を約190点の作品によってたどる。

 なお昨年から東京・大阪・山口を巡回した同名展覧会の最終会場であり、今回は、新版画の先駆ともいうべき、明治末期に来日して日本の職人とともに木版画を制作したヘレン・ハイドとバーサ・ラムの作品約50点もあわせて紹介する。

 出展作家は、石川寅治、石渡江逸、伊東深水、伊藤孝之、織田一磨、小原古邨、フリッツ・カペラリ、川瀬巴水、エリザベス・キース、北川一雄、北野恒富、小早川清、高橋松亭、鳥居言人、名取春仙、ヘレン・ハイド、橋口五葉、チャールズ・バートレット、古屋台軒、三木翠山、山川秀峰、山田美稲、山村耕花、山本昇雲、吉川観方、吉田博、バーサ・ラム。