EXHIBITIONS
タムラサトル「ワニがまわる理由(ワケ)は、聞かないでほしい」
表参道のMAKI Galleryでは、タムラサトルの個展「ワニがまわる理由(ワケ)は、聞かないでほしい」が開催される。本展は大阪のTEZUKAYAMA GALLERYとの共同企画となる。東京会場に続いて、大阪会場は9月16日よりスタートする。
今年6月に国立新美術館(東京)で開催された「ワニがまわる タムラサトル」展が記憶に新しいタムラ。今回の個展でも、タムラが30年近くにわたり制作を続けてきた代表作「まわるワニ」シリーズに焦点を当てる。
タムラが「まわるワニ」を初めて構想したのは、まだ筑波大学の学生だった1994年のこと。当時、機械仕掛けの作品がまったくの未経験だった作家は、「電気を使った芸術装置」という教授からの課題に頭を悩ませていた。「明日の朝、最初に思い付いたものを作ろう」、そう決心したタムラが翌朝ふと思い浮かべたのが「まわるワニ」だったという。そしてワニが回転する作品を初めて制作して以降、電気と機械仕掛けはタムラの芸術実践において不可欠な存在となり、現在まで不条理なコンセプトを追求し続けている。
青やオレンジ、白など様々に彩られ、20センチから12メートルまで幅広いスケール感で制作されるワニたち。タムラのキネティックな彫刻は電気や工業素材を利用しながらも、まったく非生産的であることが特徴だ。その芸術実践に通底するアイロニックな無用さには、生産性や効率に固執する現代社会へのさりげない皮肉が含まれている。実際、タムラの作品は明確な芸術的目的すら提示しておらず、芸術の役割や意味に対する鑑賞者の固定観念を覆す。
本展では、MAKI Gallery(8月27日~9月24日)とTEZUKAYAMA GALLERY(9月16日~10月15日)の2会場で合計1000匹以上の「まわるワニ」が展示され、彩りと動きの爆発が、見る者を非現実的なダイナミズムで包み込む。
「ワニがまわる理由(ワケ)は、聞かないでほしい」という展覧会のタイトル通り、タムラは作品の意図をはっきりと定義することを拒んでおり、鑑賞者には直感的に作品にふれ、自身の素直なリアクションに意識を向けることを促している。
今年6月に国立新美術館(東京)で開催された「ワニがまわる タムラサトル」展が記憶に新しいタムラ。今回の個展でも、タムラが30年近くにわたり制作を続けてきた代表作「まわるワニ」シリーズに焦点を当てる。
タムラが「まわるワニ」を初めて構想したのは、まだ筑波大学の学生だった1994年のこと。当時、機械仕掛けの作品がまったくの未経験だった作家は、「電気を使った芸術装置」という教授からの課題に頭を悩ませていた。「明日の朝、最初に思い付いたものを作ろう」、そう決心したタムラが翌朝ふと思い浮かべたのが「まわるワニ」だったという。そしてワニが回転する作品を初めて制作して以降、電気と機械仕掛けはタムラの芸術実践において不可欠な存在となり、現在まで不条理なコンセプトを追求し続けている。
青やオレンジ、白など様々に彩られ、20センチから12メートルまで幅広いスケール感で制作されるワニたち。タムラのキネティックな彫刻は電気や工業素材を利用しながらも、まったく非生産的であることが特徴だ。その芸術実践に通底するアイロニックな無用さには、生産性や効率に固執する現代社会へのさりげない皮肉が含まれている。実際、タムラの作品は明確な芸術的目的すら提示しておらず、芸術の役割や意味に対する鑑賞者の固定観念を覆す。
本展では、MAKI Gallery(8月27日~9月24日)とTEZUKAYAMA GALLERY(9月16日~10月15日)の2会場で合計1000匹以上の「まわるワニ」が展示され、彩りと動きの爆発が、見る者を非現実的なダイナミズムで包み込む。
「ワニがまわる理由(ワケ)は、聞かないでほしい」という展覧会のタイトル通り、タムラは作品の意図をはっきりと定義することを拒んでおり、鑑賞者には直感的に作品にふれ、自身の素直なリアクションに意識を向けることを促している。