EXHIBITIONS

大西茅布個展「人間の森のなかで」

大西茅布 《森の愛》より、左は「Part1—エロス—」、右は「Part2—タナトス—」

大西茅布 《今日の神話》より「昼の絵」「夜の絵」

大西茅布 人の森

 大西茅布(おおにし・ちふ)による個展「人間の森のなかで」が、銀座 蔦屋書店のイベントスペースGINZA ATRIUMで開催。第24回岡本太郎現代芸術賞岡本太郎賞を受賞した《レクイコロス》(コア部分)や新作も展示される。

 大西は2003年大阪府生まれ。2021年、東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻入学。岡本太郎の遺志を継ぎ、次代のアーティストを顕彰する岡本太郎現代芸術賞において、2020年度、史上最年少の18歳で大賞の岡本太郎賞を受賞した。受賞作品は、「レクイエム」と「コロナウイルス」を組み合わせた造語《レクイコロス》と題され、合計60枚の絵画からなるインスタレーションが注目を浴びた。

 本展では、東京藝術大学在学中の直近半年間で描かれた作品を中心とし、会期前半には《レクイコロス》のコア部分を、後半には《今日の神話》をはじめとする最新の作品群を展示する。

 新作の《今日の神話》は「昼の絵」「夜の絵」からなる組作品。「昼の絵」には、独特な解釈による「真・善・美の完備した楽園」が、「夜の絵」には逆の世界として、巨大な武器を中心に生命と霊魂が翻弄される姿が描かれ、組作品として眺めると「昼」と「夜」を貫く存在として、岡本太郎の太陽の塔が描かれている。

 後半のもうひとつの見どころは、組作品《森の愛》の「Part1—エロス—」「Part2—タナトス—」だ。会場中央の天井から吊るされ、東京藝術大学の森に展示された最初の姿を再現する。

「大阪から東京に来て作風がかなり変わった」と語る大西。高校生の時の作品《レクイコロス》から大学進学後の最新作《森の愛》以降まで、展覧会を通してその画風の変遷を見ることができる。