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ヴァージル・アブロー

Virgil Abloh

個展「"PAY PER VIEW"」(Kaikai Kiki Gallery)でのヴァージル・アブロー 撮影=稲葉真

 ヴァージル・アブローは1980年アメリカ・イリノイ州生まれ。ウィスコンシン大学マディソン校で土木工学の学位を取得後、ミュージシャンで音楽プロデューサーのカニエ・ウエストと出会い、2012年にウエストが設立した「DONDA」のクリエイティブディレクターとして数々の作品を手がける。クリエイティブ集団「#BEENTRILL」の結成に携わり、フラット・ホワイトという名前でDJとしても活動するほか、音楽レーベル「Teenage Teardrops」のオーナーや建築家、グラフィックデザイナーなど多くの肩書きを持ち、領域横断的に活躍。14年春に自身のブランド「OFF-WHITE」を立ち上げると、すぐに商品が完売となり話題を呼んだ。

 ブランドの世界観をベースにして、ウェアだけでなくバッグやシューズまでトータルで展開し、他の人気ブランドとも積極的にコラボレーション。「OFF-WHITE」のほかに、「Pyrex Vision」や地元シカゴのセレクトショップ兼アパレルブランド「RSVP Gallery」などのブランドも手がけ、2018年3月には、「ルイ・ヴィトン」のメンズ・アーティスティック・ディレクターに就任した。Kaikai Kiki Gallery(東京)で世界初個展「PAY PER VIEW」(2018)を開催。ガソリンスタンドの看板を模したオブジェ、黒く塗りつぶしたキャンバスに白文字で「ADVERTISE HERE」と通信可能な電話番号を描いたペインティングなどを通して、消費社会や広告、メディアが人々にもたらす影響やアートとの共通点を浮き上がらせた。