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100年ぶりの新発見も。
横山大観の代表作が一同に集う回顧展が東京と京都で開催

岡倉天心とともに新たな時代の新たな絵画を探求した横山大観。その生誕150年を記念した大規模回顧展が東京と京都の国立近代美術館で開催される。本展では100年ぶりの発見となった作品も出品される。2018年4月13日〜5月27日(東京展)と、2018年6月8日〜7月22日(京都展)。

横山大観 群青富士(右隻) 1917頃 静岡県立美術館蔵

 横山大観は1868年に水戸に生まれ、88年に母方の姻戚横山家を継ぎ、姓を横山と改めた。翌89年に東京美術学校(現、東京藝術大学)に一期生として入学し、岡倉天心らに学び、その後1896年には同校助教授となる。しかし、1898年には天心らとともに辞職し、日本美術院創設に参加。新たな日本画の姿を探求した画家として知られている。

横山大観生々流転(部分) 1923 東京国立近代美術館蔵

 近代日本画の巨匠として、いまなお幅広い人気を誇る大観。本展は、西洋化が進みつつあった当時において、日本の絵画の伝統技法を継承しつつも、ときに従来の型にはまらない、自在な画風見せた大観の画業を回顧するもの。

 構成は明治、大正、昭和の時系列に沿った3章構成。40メートル超の「日本一長い画巻」として知られる重要文化財《生々流転》(1923)の一挙公開(鉛筆画の小下絵画帳も同時公開)や、かがり火に夜桜が浮かび上がる《夜桜》(1929)と、鮮明な赤とプラチナがまばゆい《紅葉》(1931)の同時展示など、まさに大観の代表作が揃う、生誕150周年にふさわしい内容となっている。

横山大観 生々流転(部分) 1923 東京国立近代美術館蔵
横山大観 夜桜(左隻) 1929 大倉集古館蔵
横山大観 紅葉(左隻) 1931 足立美術館蔵

 さらに本展で注目したいのは、新出の作品だ。105年前に刊行された『大観画集』にモノクロで掲載されて以降、行方が分からなかった縦140×横113センチメートルに及ぶ個人蔵の大作《白衣観音》(1908)が、100年ぶりに発見され展示されるほか、ハレー彗星を水墨画で描いた同じく個人蔵の《彗星》(1912)など、これまで美術館では見ることができなかった「幻の作品」が並ぶ貴重な機会でもある。

横山大観 白衣観音 1908 個人蔵

 大観の単独回顧展としては、東京国立近代美術館で1959年以来2度目。京都国立近代美術館では2004年以来2度目となる本展。日本画の可能性を追い求めた一人の男の生涯を辿りたい。

編集部

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