16世紀、キリスト教の世界布教にともないイエズス会士ヴァリニャーノは、日本における布教をさらに深めるために、「天正遣欧少年使節」をヨーロッパに派遣した。ヨーロッパの各地を巡った少年使節団は行く先々で手厚いもてなしを受け、様々な文化や芸術に触れていった。
本展は、天正遣欧少年使節が訪れたイタリア各地の都市の芸術を紹介し、少年使節団の足跡をたどるもの。ブロンズィーノやティントレットの絵画作品をはじめ、タピスリー、陶器、ガラスなどの工芸品や書簡資料など、約70件の資料で当時のヨーロッパを追体験する機会を提供する。とくにメディチ家の画家・ブロンズィーノが描いた《ビア・ディ・メディチの肖像》と、ヴェネチアの画家・ティントレットの工房で描かれ、2014年に奇跡的に再発見された《伊東マンショの肖像》は本展の見どころのひとつとなる。