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高次元の世界に広がる景色。野村康生が挑む「21世紀の絵画」とは

美術史や科学理論を取り入れた作品を発表しているアーティスト、野村康生が個展「Dimensionism」を開催中。南青山のhpgrp GALLERY TOKYOにて6月18日まで。

野村康生 Noctis Labyrinthus No.04

 野村康生は、1979年島根県生まれ。本質的な美の根拠を見つけることを目指し、美術史や科学理論の要素を取り入れた作品を制作している。2015年には、最先端の科学研究の現場である東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構で、滞在制作も行った。

 本展のタイトル「Dimensionism」は、「次元主義」を意味する造語。数学者アンリ・ポアンカレが著書『科学と仮説』(1902年)で示した非ユークリッド幾何学や四次元のイメージは、近代化の大きな変動のなかにあった当時の人々に新時代のビジョンを授け、ピカソのキュビズムやデュシャンの「大ガラス」などにも影響を及ぼしたという。

 今回の個展にあたり、野村は「あえて絵画を「次元の芸術」と捉え直すことで、先人たちの仕事に新たな光を当てたい。そこから(略)21世紀の絵画をはじめたい」と語る。2年ぶりのhpgrp GALLERY TOKYOでの個展となる本展で展開される、「高次元」を切り口とした新しい絵画表現に注目だ。

編集部

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