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2018.3.18

幾何学的法則で紡ぐ詩的な純粋さと軽快さ。吉川静子が約30年ぶりに日本で個展を開催

スイス構成主義の系譜を引き継ぐ作家として、スイス・チューリッヒを拠点に活動するアーティスト・吉川静子の約30年ぶりとなる日本での個展が開催される。会期は2018年5月17日〜27日。

吉川静子 my silk road - gelblich hell 2005 キャンバスにテンペラ、アクリル 108×144cm
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 吉川静子は1934年福岡県生まれ。スイス・チューリッヒを拠点とし、西洋伝統的文化のなかで日本の感性を活かすような表現を模索。幾何学の合理的原則を用いて、日本人であるアイデンティティから根ざした詩的な純粋さと軽快さをつなぎ合わせるような作品を制作してきた。

吉川静子 energien aus der leere - 41 1993〜94 キャンバスにテンペラ、アクリル 100×100cm

 ヨーロッパでの活動のきっかけは、60年に東京で開催された世界デザイン会議の通訳を務めた際の、ヨゼフ・ミューラー=ブロックマンら、ヨーロッパのモダニズムの牽引者たちとの出会い。その翌年にドイツ・ウルム造形大学へ留学し、63年にはスイスのミューラー=ブロックマンのスタジオへ参加するなど、スイス構成主義やコンクリート・アートの精神を持つアーティストとして活動を始め、現在まで精力的に活動を続けている。

吉川静子 a roma - 23 1999 手製の紙に色鉛筆、パステル 48×66cm

 本展は、吉川の半世紀以上にわたる活動をまとめた作品集『shizuko yoshikawa』の出版記念展として、パブリッシャーでグラフィックデザイナーのラース・ミューラーの企画により開催。吉川の日本での個展は約30年ぶりとなる。

 吉川の来歴、そして、芸術的観察が進化しうる形而上学的領域を探し続けるという制作への態度を暗示する「私の島は何処」という展示タイトルのもと、約25点の作品を展示し、吉川の活動を改めて日本の観客に紹介する。

吉川静子 ohne titel - grund: pearlacril-weiss, kreise, schwarz 2016〜17 キャンバスにテンペラ、アクリル 100×100cm
吉川静子 kosmische gewebe - strahlend -2 1991〜93 キャンバスにテンペラ、アクリル φ150cm