尾形光琳(1658~1716)は江戸時代なかばの画家・意匠作家。俵屋宗達や雪舟、狩野派などにルーツをもつ様々な画風を展開し、《燕子花図屏風》をはじめとする装飾性の高い彩色画や優れた水墨画を残した。
いっぽう、光琳の弟である尾形乾山(1663~1743)は陶芸の世界に身を投じる。日本、中国、西洋にまで及ぶ様々なやきものを学び、多彩な作品を制作した。
本展では、光琳の画業を示す作品のみならず、光琳が関与したと思われる「絵」をキーワードとした乾山焼、光琳風もうかがえる乾山の画業などを展観。美術史上重要な二人の芸術家兄弟がそれぞれ展開した造形や美の世界を見つめ、そこに存在した美意識の交流の様相をさぐる。