「生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」(富山県美術館・青森県立美術館・東京国立近代美術館/3月18日~5月21日・7月29日~9月24日・10月6日〜12月3日)
棟方志功の生命と初期のキャリアを育んだ青森、作家活動の中心地となった東京、太平洋戦争中の疎開先として選ばれた富山。3つの地域は、作家の生涯にとってそれぞれ重要な「転機」をもたらした。各地を代表する3つの美術館で開催された本展は、各地での活動を丹念に調査・比較することで、「奇人」「天才」といった作家のパブリックイメージを更新し、地方性と世界性を調停する棟方のユニークな特性を浮き彫りにしていた。彼が交流した人々との膨大な応答の記録から、生涯を通じて大胆に変化し続ける作家の実像が示された、堂々たる回顧展となった。