ブロックチェーンの仕組みを理解するための4つの概念

雑誌『美術手帖』の貴重なバックナンバー記事を公開。本記事では、2018年の「アート×ブロックチェーン」特集より、ブロックチェーンの仕組みを紐解く4つのキーワードを紹介する。

監修=斉藤賢爾 構成=宮本裕人+編集部 イラスト=北澤平祐

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 仮想通貨の中核技術として注⽬されるブロックチェーン。⾦融のほかにも 様々なものに応⽤できると⾔われているが、どんな未来が可能になるのか。

 本記事では、2018年のブロックチェーン特集から、「4つの概念」を公開。ブロックチェーンによって到来するかもしれない新しい社会と私たちの未来の日常をイラスト付きで紹介する。

ブロックチェーンの仕組みを理解するための4つの概念

 情報システムの新たなアーキテクチャとなりうるかもしれないブロックチェーン。その仕組みをよりよく知るためのキーワードとともに、未来を読み解くヒントとなる概念を、斉藤先生が解説。 

1. トークン:新しいインセンティブの設計

 ブロックチェーンは、ビットコインに代表されるように、トークン(代替貨幣)による報酬という利己的な目的でシステムが維持され、わざわざ不正をするメリットがないようにつくられていると評されることが多い。だが、報酬として設定されているトークンの市場価値を大きく上回る価値がブロックチェーン上で扱われる場合に、このインセンティブの仕組みは破綻することが知られている。とはいえ、法定通貨に代わる価値媒体を自由に設計できることを広く知らしめた功績は大きく、現在もブロックチェーン上に様々なトークンを設計する試みが進行している。

未来予想:「みんなのための行動」が自分の利益になるかもしれない。例えば、ポイ捨てされていたゴミを拾ったら、スーパーで買い物に使えるポイントが自分のウォレットに溜まったことをAIアシスタントが教えてくれる。小遣いを稼ぎつつ街がきれいになるなんて一石二鳥だ。