日本で見られる印象派作品の代表例として、まずはクロード・モネ(1840〜1926)を紹介したい。印象派を代表するモネは、日本でもとくに人気の高い画家のひとりだ。国内の西洋絵画を所蔵する主要な美術館には必ずといってよいほどモネの作品が収蔵、展示されており、その総数は、100点を優に超えると言われている。
それらのコレクションは、最初の展覧会出品作品とされるものから、パリのオランジュリー美術館の「睡蓮の間」に通じる晩年の大画面作まで幅広く、各美術館をめぐれば彼の画業を追えるラインナップになっている。
なんといってもまずチェックしておきたいのは、国立西洋美術館(東京・上野)とポーラ美術館(神奈川・箱根)だ。両館は、モネを代表する「睡蓮」の優品をはじめ、印象派の画家として知られていくモネの各時代の特徴を備えた秀作でその創作をたどることができる、充実したコレクションを擁している。ふたつの美術館のコレクションを中心に、モネの画業を追いつつ、国内で見られる主要なモネ作品をみていこう。