EXHIBITIONS

岩田駿一個展「路上をあつめて」

2026.01.16 - 01.31
 和田画廊では、岩田駿一による個展「路上をあつめて」を開催する。

 岩田駿一は1990年千葉県生まれ。2015年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科版画専攻を卒業し、2018年に東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻版画を修了した。

 岩田は、版画を軸に多様な表現を通じて、日常に潜むささやかな気配を主題として制作を続けてきた。Tシャツを版として用いたり、住居内のさまざまな場所を版に仕立てたりと、身近な素材から版画の可能性を広げる手法を展開している。

 本展で作家が着目したのは、自宅周辺を散歩するなかで出会った路上のモチーフたちである。公園の遊具、看板、季節の草花、落とし物、見覚えのあるキャラクターなど、通り過ぎてしまいがちな断片を、写真やスケッチを経て粘土で立体化し、「触れるかたち」として再構成している。こうして制作された小さな立体物はスタンプとなり、紙の上にシルエットとして摺り取られる。

 会場では、約50点のスタンプ原版と、それらから生まれた紙作品、「散歩の記録」として衣類に摺り重ねた作品を展示する。路上に存在していた事物が、作家の手を介して版画として再構成される過程を紹介する内容となる。