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「表現者は街に潜伏している そして、ショッピングセンターは街そのものである」(パープルーム ダイエー海老名店)会場レポート【2/3ページ】

 本展の出展作家はこれまでパープルームに関わってきたアーティストのほか、地域の作家、新規に紹介する作家などを合わせた40人規模、100点を超えるグループ展。出展作家は兼田なか、續橋仁子、百頭たけし、平山昌尚、だつお、星川あさこ、藤江愛、林康夫、上田勇児、伊藤昭人、中ザワヒデキ、梅沢和木、梅沢和雄、浦川大志、二艘木洋行、福士千裕、qp、ジェイソン・トンプソン、西村有未、影島晋平、俵萌子、たんぱく質、金中高貴、ユ、六萠、西島大介、桑原正彦、新関創之介、佐藤遥加、笹原郁斗 ex.、スカちゃん、ユササビ、卜部鈴木、オイリさん、高島周造、アラン、吉田十七歳、シエニーチュアン、わきもとさき、智輝、あま、田辺賢都、梅津庸一、安藤裕美。

パープルームが出店するダイエー海老名店

 会場にはところ狭しと作品が並ぶが、まず目を引くのは梅津の平面作品《工学と寓意》(2024)と、パネルに印字された本展タイトル「表現者は街に潜伏している そして、ショッピングセンターは街そのものである」だろう。この展覧会名は、次の梅津のステートメントを反映したものといえ、本ギャラリーの所信表明として機能している。

 スーパーとギャラリーでは業態も慣習もまったく違います。しかしそんな原理の異なる店舗同士がひとつの空間に軒を連ねることができるのはショッピングセンターが潜在的に持っている包容力の為せる業でしょう。スーパーをはじめ、フードコート、100円均ーショップ、衣料品店、ジム、フットサルコート、不動産屋といった多種多様な業種が共存する、ショッピングセンターはいわば街そのものです。テナントを借りる、そんなシンプルな手続きで美術のギャラリーもその輪の中に入れてもらえるわけです。
 さて、本展では多様な世代やスタイルの作家たちが一堂に会します。けれどもそれは「現代アート」が謳う多様性とは少し様子が異なります。もっと素朴で雑多かもしれません。具体的に説明すると美術制度を内面化したいわゆるプロ、日々の営みとして自分自身のために作り続けている者、かって美術家を志したものの道半ばで方向転換した者、インターネットを主戦場にする者など。本展は先ほど述べた複合商業施設のような「在りよう」を目指します。(プレスリリースより)
展示風景より

 ほかにも、安藤裕美、田辺賢都、わきもとさき、アラン、シエ二ーチュアン、吉田十七歳、智輝、あまといった、パープルームのメンバー、旧メンバー、かつてパープルーム予備校の生徒だったアーティストらの作品のほか、旧パープルームギャラリーで展示経験のある作家の作品が並び、これまでの歴史を振り返るような趣向にもなっている。

展示風景より

編集部