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「横尾忠則 未完の自画像 - 私への旅」がグッチ銀座 ギャラリーで開幕。70年万博の再現展示も【2/3ページ】

新作は家族の肖像画

 横尾は約60年にわたり、ひとつの完成形にはとどまることなく、つねに変貌と挑戦を繰り返してきた。本展のテーマである「未完」は、芸術の創造性は完成された瞬間よりも、むしろ未完成であることにこそ宿るという、横尾の美学に基づくものだ。

 本展のキュレーションは美術評論家・南雄介。「Y字路」シリーズを含む、「旅」を想起させるテーマを描いた作品を中心に約30点が並ぶ。

展示風景より、「Y字路」シリーズ

 このうち初公開となるのが、家族の肖像画像6点だ。自画像や家族などが、近年横尾が取り組む「朦朧体」で描かれており、家族や自分といった存在の「わからなさ」が表現されている。

展示風景より、左から横尾忠則《家族総出演》《赤坂御苑》《未完のMORAL》(すべて2025)
展示風景より、左から《寄り路》《出発》《椅子だらけの自画像》(すべて2025)

編集部