市原市、木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市の内房総5市を舞台に、今年3月から5月にかけて開催される「百年後芸術祭〜環境と欲望〜内房総アートフェス」。そのプログラム一部の詳細や展示エリアが発表された。
同アートフェスの総合プロデューサーを務めるのは、宮城県石巻市を中心に開催される「Reborn-Art Festival」や木更津にあるアート施設「クルックフィールズ」などを手がけてきた音楽家・音楽プロデューサーの小林武史。アートディレクターは、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」や「瀬戸内国際芸術祭」、そして市原市を舞台に行われる「房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス」など日本各地の芸術祭をディレクションする北川フラムが務める。
「LIFE ART」と 「LIVE ART」を両軸として展開するこのアートフェス。「LIFE ART」は、北川が「人々の生活に根ざした地域の営みに美を見いだし、アーティストとともに表現するアート」。いっぽうの「LIVE ART」では、小林が「瞬間瞬間に生み出されるライブパフォーマンスを中心に表現するアート」だという。
「LIFE ART」では、国内外から約80組の現代アーティストが、絵画、彫刻、映像、インスタレーションなど様々な手法を用いて制作する約90点の作品が内房総5市の各所で展示される。
市原市では、過去3回の「いちはらアート×ミックス」の成果を継承し、「アート×ミックス2024」として展開予定。上総牛久駅周辺や市原湖畔美術館、旧里見小学校などの各拠点に、ディン・Q・レやリーロイ・ニュー、毛利悠子、森靖、笹岡由梨子など国内外のアーティストによる約60の作品が紹介される。
木更津では、木更津駅周辺、農業、食、アート、自然などを一度に楽しめる施設クルックフィールズ、東京湾アクアラインの足元に残された自然の海岸である盤洲干潟の3ヶ所で、淺井裕介や梅田哲也、オラファー・エリアソン、小谷元彦、草間彌生、SIDE CORE、島袋道浩などの作品が展示予定。製鉄所の進出により高度経済成長期に移住者が急増した君津市では、八重原公民館や旧内箕輪保育園などを会場に、佐藤悠、さわひらき、深澤孝史、保良雄の作品が展開される。
有数の工業地帯とのどかな田園風景が広がる袖ケ浦市では、四季の花が咲き香る袖ケ浦公園周辺に東弘一郎、大貫仁美、キム・テボン、ダダン・クリスタントが作品を展示し、地域の歴史が学べるスポットをアート空間に変容させる。海苔の養殖、潮干狩りや海水浴、マリンスポーツなどでも有名な富津市・富津岬周辺では、五十嵐靖晃、岩崎貴宏、中﨑透、武藤亜希子が作品を発表する。
いっぽうの「LIVE ART」では、「通底縁劇・通底音劇」をテーマに、富津公園ジャンボプール(予定)、クルックフィールズ、君津市⺠文化ホール、袖ケ浦市⺠会館の4会場で小林武史プロデュースによるスペシャルライブが開催される。出演者には、アイナ・ジ・エンドや櫻井和寿、スガ シカオ、宮本浩次、荻野目洋子などが名を連ねている。
また、会期中には内房総の生産者や料理人などとともに、地元の食材を楽しめる飲食店や屋台、食についてのワークショップなども展開予定。加えて、無料周遊バスやガイド&ランチ付きのオフィシャルツアーも予定されており、そちらを利用してアートフェスを巡ってみてはいかがだろうか。