「五十嵐威暢アーカイブ」が金沢工業大学にオープン。「デザインとアート」を柱とした感性教育の拠点に
金沢工業大学ライブラリーセンターに、国際的に活躍する彫刻家でグラフィックデザイナーの五十嵐威暢の作品や資料を収蔵する「五十嵐威暢アーカイブ」がオープンした。同アーカイヴが目指すものとは?
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石川県野々市市の金沢工業大学ライブラリーセンター内に、国際的に活躍する彫刻家でグラフィックデザイナーの五十嵐威暢の作品や資料を収蔵する「五十嵐威暢アーカイブ」がオープンした。ディレクターは野見山桜(デザイン史研究家)。
五十嵐は1944年北海道滝川市生まれ。 多摩美術大学を卒業後、カリフォルニア大学で芸術学の修士号を取得。1970年代からデザイナーとして国際的に活動し、千葉大学、UCLAで教鞭を、多摩美術大学では、初代デザイン科学科長を務めた。94年には彫刻家へ転身、2011年より多摩美術大学第9代学長を務め、現在は名誉教授となっている。代表作に、旧明治乳業やサントリー、金沢工業大学、多摩美術大学などのCIデザイン、「旧渋谷PARCO ネオンサイン」(現在は2019年に新たにオープンした渋谷PARCO内に展示)、東京ミッドタウン内彫刻《予感の海へ》、「EXPO '85 国際科学技術博覧会」ポスターデザインなどがある。
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同アーカイブは、金沢工業大学の教育方針のもと、急速に変化する社会からの要請に応えるべく、「デザインとアート」を柱とした感性教育を融合すること、そしてその研究の充実と実践を行うことを目指し設立されたもの。五十嵐の厚意で寄贈された約5000点もの作品や資料を活用した独自の教育プログラムを通じて、学生が独自の視点で物事を観察し、創造する力を引き出す活動を推進するという。このアーカイブは地域の学びの場として、学生のみならず一般の人々も利用することが可能となっている。
会場は、おおよそ時系列順に作品が紹介され、五十嵐のクリエイティブの変遷をたどることができる。70年代の定規やコンパス、ドラフター(製図台)で描かれたポスター群から、Macintoshコンピューターを用いて制作されたもの、そして彫刻家に転身してからの作品も展示されている。
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また、開館記念展示「見ているか?」[第1期](〜24年4月30日)も開催されており、五十嵐の造形を通じて、美しさを追求するために必要なものの見方を学ぶことができる。このスペースは、鑑賞と学びの場としてワークショップも実施するなど、実験室のような場所として活用されていく予定だという。
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このアーカイブ室はもちろんのこと、金沢工業大学は非常に美しいモダニズム建築を有していることでも知られており、本館(現・金沢工業大学1号館)は2019年にDOCOMOMO Japanから「日本におけるモダン・ムーブメントの建築226選」に選定されている。この「五十嵐威暢アーカイブ」に足を運ぶ際は、これらの建築をじっくりと味わうこともおすすめしたい。
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