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ナショナル・ポートレイト・ギャラリー大改装後のこけら落とし。イェヴォンデ・ミドルトンとポール・マッカートニーによる2つの特別展を見る

3年に渡る大改装を終え、6月22日に再オープンしたロンドンのナショナル・ポートレイト・ギャラリー。再開初日から開催されている「イェヴォンデ:ライフ・アンド・カラー」に続いて、28日から「ポール・マッカートニー フォトグラフス 1963-64 アイズ・オブ・ザ・ストーム」もスタートし、こけら落としの特別展2つ揃っての開催で改めて注目を集めている。

文=坂本みゆき

ポール・マッカートニー自画像。ロンドンで撮影 ©︎Paul McCartney

若き日のレジェンドの心をとらえたフォトグラフィー

 「ポール・マッカートニー フォトグラフス 1963-64 アイズ・オブ・ザ・ストーム」は、音楽界のレジェンド、ポール・マッカートニーによる写真展だ。彼が在籍していたビートルズが、1963年11月から1964年2月までの4ヶ月間にリバプール、ロンドン、NYなど6つの都市を巡りながら圧倒的な人気を獲得していく様子をマッカートニー自らが撮影した250点以上の写真を通して追う。

ポール・マッカートニーによる自画像 ©︎Paul McCartney

「写真には常に興味がありました。まだ少年だった1950年代に私の家族は小さなボックスカメラを持っていて、ブラウニーと呼ばれていたそのカメラにフィルムを装着する手順がとても好きでした」とマッカートニー。

 今回の作品の撮影に使ったカメラはペンタックス(日本の旭光学)の35ミリ一眼レフだ。60年代当時、軽量で操作が比較的容易なことから高い評価を得ており、ファッションフォトグラファーのデヴィッド・ベイリーが愛用していたことでも知られている。

 マッカートニーのアーカイブのなかから見つかったオリジナルのネガティブフィルムを現像しての展示だが、フィルムが紛失している場合はコンタクトシートを使用している。トリミングは一切せず、すべては撮影当時にマッカートニーがファインダーごしに切り取った風景をそのまま再現しており、そのほとんどはこれまで未公開の作品だ。

熱狂の4ヶ月を追いかける

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