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リヒター生誕90年を記念。ベルリンの新ナショナル・ギャラリーにアーティストブックが勢揃い

1932年2月9日に生まれたゲルハルト・リヒター。その90歳の誕生日にあわせ、ベルリンの新ナショナル・ギャラリーではこれまで刊行されたリヒターのアーティストブックなどの資料を一堂に紹介する展覧会「ゲルハルト・リヒター アーティストブック」が始まった。現地の様子をレポートでお届けする。

文=河内秀子

入り口正面に「アトリエ」というタイトルの作品を展示。キュレーターのミヒャエル・ライラッハは、観客にリヒターのアトリエを訪れたような気分になってもらいたかったというNeue Nationalgalerie 2022, © Staatliche Museen zu Berlin / David von Becker

 2月9日に90歳の誕生日を迎えたゲルハルト・リヒター。その誕生日に合わせ、ベルリンの新ナショナル・ギャラリーでリヒターのアーティストブックの展覧会が始まった。

 これまであまり展示されることがなかった1960年代のカタログから新聞までを体系的に並べ、リヒターの“目“、ものの見方を考察する興味深い展示となっている。

 「絵画について語るということは難しいだけではなく、もしかしたら意味のないことかもしれない」。リヒターは、1962年のインタビューでこう語っている。「なぜなら、言葉でつかめることしか言葉にできないし、それは絵画とは全く関係ないことだから」と。しかし観客は知りたいと思ってしまう。リヒターはどのように作品と対峙し何を見ているのか。

ゲルハルト・リヒター © Werner Bartsch

 ベルリンの新ナショナルギャラリーで5月29日まで開催されている「ゲルハルト・リヒター アーティストブック」は、1960年代からの30点のアーティストブックやカタログ、新聞などを通じて、この類い稀なアーティストのものの見方、コミュニケーションのシステムをとらえようとする展覧会だ。展覧会は「アーティストのイメージ」「偶然のイメージ」「写真のイメージ」という3つのテーマに沿って分けられている。

展示風景より Neue Nationalgalerie 2022, © Staatliche Museen zu Berlin / David von Becker

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