改装工事のため、2015年より休館していたベルリンの「新ナショナルギャラリー」(Neue Nationalgalerie)が、8月22日にリニューアルオープンした。
20世紀初頭の美術を中心に、近代・現代美術作品を多く展示する同館は、1968年にベルリンの中心部に開館。その建物と彫刻庭園は、近代建築の巨匠ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエが65年から68年にかけて、その最後の独立した仕事として建設したもので、20世紀を代表する建築家であるミースの最高の遺産と考えられている。
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再開に伴い同館では、ミースと同時代に活躍した彫刻家アレクサンダー・カルダーの個展「Alexander Calder:Minimal/Maximal」やメディア・アーティストのローザ・バーバの個展「Rosa Barba. In a Perpetual Now」、コレクション展「The Art of Society, 1900–1945」を開催。加えて、ヘンリー・ムーアやジョージ・リッキー、エドゥアルド・チリダ、ロバート・インディアナなどによる彫刻の屋外展示や、同館建物の歴史やミースに焦点を当てた展示も行われている。
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Musée National d'Art Moderne, Centre Pompidou, Paris; Dation of the Estate of the Artist, 1983. © 2021 Calder Fou
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再開にあたり、同館館長のヨアヒム・イェーガーは「ガラス、スチール、開放感……ベルリンの建築物のなかで、新ナショナルギャラリーほど20世紀の文化を色濃く残しているものはないだろう」としつつ、次のようにコメントしている。
「デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツによって修復された当館は、1960年代という時代にタイムスリップし、そこにあった様々なアイデアや願望を見ることを可能にする。社会的・政治的に関連性の高いコレクションとともに、新ナショナルギャラリーは、『現代性』に関する疑問をともに議論し続けるための理想的な場所だ」。