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2021.7.22

まさに「北斎づくし」。六本木で《北斎漫画》《冨嶽三十六景》《富嶽百景》の全頁・全点・全図が展示


2024年度から新千円札にも図柄が採用される浮世絵師・葛飾北斎。その生誕260年を記念した展覧会「北斎づくし」が、東京ミッドタウンホールにて開幕した。《北斎漫画》《冨嶽三十六景》《富嶽百景》の全頁・全点・全図を通期で展示する。

展示風景より、《北斎漫画》のセクション
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 昨年生誕260年を迎えた浮世絵師・葛飾北斎(1760〜1849)。その代表作である《北斎漫画》《冨嶽三十六景》《富嶽百景》の全頁(ページ)・全点・全図が、特別展「北斎づくし」で見ることができる。

 会場に並ぶのは、1500冊以上の北斎漫画を所有する浦上蒼穹堂代表・浦上満の全面協力によって出品された、《北斎漫画(初編~15編)》全883頁、《冨嶽三十六景》全46点、『富嶽百景(初編~3編)』全102図だ。これらを通期(展示替えなし)で展示するというのは、これまでにない試みとなる。

展示風景より、《北斎漫画》のセクション

 このなかでも、もっともボリュームの大きい《北斎漫画》は、その全頁を同時に展示するために約500冊が勢揃いした。会場には、「北斎漫画の森」ともいえる空間が展示室に出現。床から什器、壁にいたるまで北斎漫画のモチーフが散りばめられており、「北斎の頭の中」に没入するような体験ができる。

展示風景より、《北斎漫画》のセクション
展示風景より、《北斎漫画》のセクション

 2024年度から新千円札にも図柄が採用される《冨嶽三十六景》では、山口県立萩美術館・浦上記念館が所蔵する「チコチンコレクション」「浦上コレクション」を含む、全46点が通期で展示。

 また、『新編水滸画伝』や『椿説弓張月』など、北斎が挿絵を手がけた数々の読本に特化したセクションでは、英雄や豪傑などに囲まれる鑑賞体験ができる。

「読本」のセクション
「読本」のセクション

 こうした会場設計は、国際的に活動する建築家・ 田根剛(Atelier Tsuyoshi Tane Architects)が担当。展覧会のコンセプトである「尽くし」をテーマに、北斎という存在に囲まれる空間が出現した。

 加えて、キービジュアルと会場グラフィックは、『北斎漫画』(青幻舎)などのブックデザインでも知られる祖父江慎が、展示解説は日本美術を主な領域とするライター・エディターで永青文庫副館長の橋本麻里が担当。個性豊かなメンバーだからこそ実現した会場に没入してほしい。

展示風景より、《富嶽百景》セクション