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北斎や若冲の作品世界に没入しよう。「巨大映像で迫る五大絵師」展の見どころをチェック

葛飾北斎、歌川広重、俵屋宗達、尾形光琳、そして伊藤若冲といった日本美術史を代表する五大絵師の作品世界を超高精細デジタル映像で再現する「『巨大映像で迫る五大絵師』-北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界-」展が、7月16日〜9月9日に大手町三井ホールで開催。その見どころを本展の監修者・小林忠の言葉とともに紹介する。

会場イメージ

 葛飾北斎、歌川広重、俵屋宗達、尾形光琳、そして伊藤若冲といった日本美術史を飾った五大絵師の代表的な傑作をデジタル技術と映像演出によって再現する「『巨大映像で迫る五大絵師』-北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界-」展。今回は特別に、6月30日にフジテレビ湾岸スタジオで行われた映像投影テストに参加した。

 本展では、五大絵師の作品に加え、狩野派や平家物語、源氏物語といった豪華絢爛な金屏風など42作品を超高精細デジタル映像や音楽で再現。 会期中、上映作品が毎日入れ替わるダブルプログラムで上映予定となっている。

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 展覧会は、7月16日〜9月9日の会期で大手町三井ホールにて開催。実際の展示会場は、解説シアター、3面シアター、「Digital北斎×広重」コーナーの3エリアによって構成されるという。

 鑑賞者は解説シアターで上映される約20分の作品説明を受け、3面シアターで7メートル×45メートルにおよぶ3面ワイドの巨大スクリーンに映しだされる名画に没入して体験。上映後にフォトタイムも設けられており、続く「Digital北斎×広重」コーナーでは12台の大型モニターで紹介される北斎「冨嶽三十六景」と広重「東海道五拾三次」から58作品を超高精細画像で鑑賞できる。

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 ふたつの上映プログラムは、ともに北斎、広重による浮世絵シリーズの代表的な作品と、宗達や光琳、若冲たちによる金屏風・金襖絵によって展開される。

 浮世絵の版画作品では、《神奈川沖浪裏》や《凱⾵快晴》《⽇本橋 朝之景》などの名作を3Dデータとして組み上げてリマスター化を実現。北斎、広重が描き、彫師や摺師によって実現された浮世絵の微細な凹凸などの技巧や、和紙の繊維一本一本の質感までを立体的に復元する。

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 本展の監修を務めている学習院大学名誉教授で岡田美術館館長の小林忠は、「本来、持ち主あるいは研究者しかいじれない和紙の凹みや、その微妙な温かみ、柔らかさなどは、極端に広げられることによって実感できる」と語る。

 また屏風絵の作品では、最新デジタル撮影技術と多分割データ画像処理技術を用いて、宗達《国宝 ⾵神雷神図屏⾵》をはじめとする金屏風や金襖絵の金箔、金泥などの素材や多様なモチーフを細部まで再現する。

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 作品の見どころについて、小林はこう話す。「神、あるいは美は細部に宿るとよく言われている。絵師が筆で直接描いた絵は細かなところから全体の構図が成り立っており、細部が極端に拡大されることによって、筆を使った絵師たちの技術の素晴らしさや、細部に宿った美しさが改めて確認できる」。

 日本美術史を代表する五大絵師による緻密な表現を巨大映像で鮮やかに甦らせる本展。小林は次のような期待を寄せる。「本物の良さはもちろんあるが、それに埋め込まれている美しい架空のようなものが大きくなることによってまた別の体験ができる。そして美術館へ行って、本物の凝縮された本質的な美しさを改めて実感してもらいたい」。

編集部

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