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2018.9.8

新たな絵画の可能性を照射する。ジャッキー・サコッチオがアジア初個展で新作を発表

画家、ジャッキー・サコッチオの個展「Unbearable Lightness ― 堪えがたいほどの光」が、東京のGINZA SIX内にあるギャラリー「THE CLUB」でスタートした。サコッチオにとってアジア初個展となる本展の見どころをお届けする。会期は11月10日まで。

展示風景より。ジャッキー・サコッチオ Place(Red Cherries)(部分) 2018
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 東京のGINZA SIX内にあるギャラリー「THE CLUB」が、ニューヨークとコネチカットを拠点に活動を行っている画家、ジャッキー・サコッチオをピックアップ。9月8日より11月10日にわたって、サコッチオのアジア初個展が同ギャラリーで開催される。

 ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン、シカゴ美術館附属美術大学大学院で絵画を学んだサコッチオは、その後もっとも重要な抽象表現主義作家のひとりとしても知られるクリストファー・ウールに師事。ウールの身体的なペインティングや、同時多発的に数々の作品を生み出す制作スタイルに影響を受けたと語る。

 サコッチオの制作は、激しく身体を揺さぶり、絵具を滴らせた数枚の巨大なキャンバスを画面上で擦り合わせる行為から出発する。その画面はパフォーマンス要素を強く含むが、ここで注目したいのは、偶発的に生み出された網目模様の上から、ピクセルに似せた筆致が置かれている点だ。

展示風景より。ジャッキー・サコッチオ Place(Icebreaker)
展示風景より。ジャッキー・サコッチオ Place(Icebreaker)(部分)

 これまでも身体的で激しい現象美と、ピクセル状の上塗りを同居させることで「自然/規律」のギャップを意識的に示してきたサコッチオ。偶発的で大胆な下地の上から幾層にも重ねられる人為的な筆致は、それぞれある風景や現象を追って描かれたものであり、そのレイヤー構造とわずかな具象の要素からは、鑑賞者に一概に「アクション・ペインティング」とカテゴライズさせないというサコッチオの意図もうかがえる。

 ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーの代表作《難破船》における光の描写や、前衛集団「具体」のパフォーマンスペインティング、ヘレン・フランケンサーラーの荘厳な色彩表現に通ずるものを感じさせる新作群。各時代における絵画のコンテクストを網羅しながらも明快なアプローチで展開される本展は、「Unbearable Lightness ― 堪えがたいほどの光」という展覧会タイトルの通り、新たな絵画の可能性を照射していた。​

展示風景