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22万人を動員した「デザイン あ展」がバージョンアップ! 「デザイン あ展 in TOKYO」が開幕

デザイン的思考を伝えるNHK Eテレの番組「デザインあ」のコンセプトを体感することができる展覧会「デザインあ展」。2013年に21_21 DESIGN SIGHTで開催され、22万人を動員した同展の第2弾がお台場・日本科学未来館で7月19日に開幕する。バージョンアップした本展の見どころとは?

展示風景より《抽象度のオブジェ》

 NHK Eテレで放送されている番組「デザインあ」は、身のまわりに意識を向け(みる)、どのような問題があるかを探り出し(考える)、よりよい状況をうみだす(つくる)という一連の思考力と感性を「デザインマインド」ととらえ、多彩な映像表現を用いて子供たちに伝えてきた。

 この番組のコンセプトを体験の場に発展させ、会場で実際に体験できる企画展「デザインあ展」は、2013年に東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTで初開催され、22万人を動員した記録を持つ。その第2弾となる本展「デザインあ展 in TOKYO」は会場を日本科学未来館に移し、展示作品を一新。同番組で総合指導を行うグラフィックデザイナー・佐藤卓が総合ディレクターを、映像監修のインターフェイスデザイナー・中村勇吾が映像ディレクターを、そして音楽を担当するミュージシャン・小山田圭吾が音楽ディレクターを務める。

左から中村勇吾、佐藤卓、小山田圭吾

 本展開催にともない、同館展示企画開発課課長・内田まほろは「デザイン あ展」を日本科学未来館で開催する理由について 「デザインはこれからの未来をつくるうえで必要不可欠な新しい知。新しい知を共有し、未来をつくるきっかけになれば」とコメント。

 また佐藤は「日本科学未来館は科学と人々をつなぐデザインでもあり、この展覧会を通じて、身近なところにデザインは潜んでいるということに気づいてもらいたい」と本展の意義を語った。


挨拶をする佐藤卓。左は内田まほろ

 では実際の展示を見ていこう。展示は大きく「観察のへや」「体感のへや」「概念のへや」の3つで構成されている。

「観察のへや」会場風景

 「観察のへや」では身の回りにあるモノ・コトから「お弁当」「容器」「マーク」「なまえ」「からだ」の5つのテーマを取り上げ、それぞれのテーマが、デザインによってどのように社会とつながっているのかを「みる」「考える」「つくる」という3つのステップで展示する。

 「お弁当」のセクションでは、クワクボリョウタと山口レイコによる生活と実験のためのアート・ユニット「パーフェクトロン」が4種類の弁当を分解。それぞれの弁当とその食材のつめられかたを観察する《つめられたもの》や、卵が様々なかたちに変容し、弁当の一部となる様子を時間軸で並べた《たまごの変身》などを見せる。お弁当がどのような要素から成り立っているのかを改めて考えるきっかけを提示している。

《つめられたもの》展示風景

《たまごの変身》の展示風景

 「マーク」のセクションでは、トイレマークの抽象度を考えるプロセスを展示する《抽象度のオブジェ》や、様々な日用品のマークだけを残し、その佇まいを観察する《マークだけの群れ》などによって、具象化されたものと抽象化されたもの、それぞれの情報特性を考える場となっている。

《マークだけの群れ》展示風景

 このほか「なまえ」セクションでは、「のらもじ発見プロジェクト」が、街中で見かける誰がデザインしたか定かではない看板の文字(のらもじ)をフォントデータ化。「あ」の一文字でわかりやすく比べる《かんばん「あ」》で文字の多様性を楽しめる。


《かんばん「あ」》の展示風景

 「体感のへや」では、その名の通り番組の世界を体感したい。とくに注目なのは、中村勇吾による番組オリジナルソングとシンクロする映像だ。展示室の四方の壁面全体を覆う映像と音楽によって、「あ」の文字が様々に姿を変え、展示室を埋めつくす。


《「あ」のテーマ》の上映風景

 「概念のへや」は「くうかん」「じかん」「しくみ」の3テーマで構成されており、普段は意識しない場所や時間の流れ、あるいは人々の動きがどのようにデザインされているのかを気づかせてくれる内容となっている。

「概念のへや」より「じかん」の展示風景
「概念のへや」より「くうかん」の展示風景
「概念のへや」より《しくみ寿し》の展示風景

 身の回りに潜む多種多様な「デザイン」。その存在に目を向け、デザインとは何か、あるいはデザインの可能性とは何かについて考える好機となるだろう。ぜひ複数人で会場を訪れ、対話しながら展覧会を体験してほしい。

編集部

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