神木佐知子は東京都生まれ。2017年3月に女子美術大学大学院洋画専攻博士前期課程を修了した。これまで「Coil展 no.7」(2016、銀座ギャラリーK)や「ふたつ節句」(2016、原宿デザインフェスタギャラリー)などのグループ展では作品を発表してきた。本展は神木にとって修了後初の個展であり、美術館での初個展ともなる。
これまで神木は作中において窓や植物などのモチーフを反復させるように描いてきた。暖かみを持ちながらも、どこか不穏な空気を醸し出す作品たち。神木は作品制作において、膨大な情報が錯綜する現代社会に対する疑問が呈しているのだという。「(目新しいものがいっぱいの世の中で)従来のアートで何ができるのだろう。私にしかできないことを、画面の中で表現し留めていけたらと願う」。
すべて新作で構成された個展で、神木は鑑賞者それぞれが立ち止まり、己を見つめ直す機会を提示する。