運営は、地域に根ざした住宅づくりを行ってきた株式会社ビーディホーム(BdHOME)。「暮らしと地域づくり」の視点を活かし、建物そのものにも「冬至の光と影」をモチーフにした空間デザインを導入。再生と旅の物語を感じられる設えとした。ホテルを単なる滞在施設ではなく、アートを中心とした多様な体験を通じて、宮町・伊勢を再訪したくなる旅へとつなげていくことをめざす。

「御師と旅人」と題した自社の地域紹介サイトでは、宮町周辺の文化や飲食店を発信。ホテルでは夕食提供を行わないが、客室のインフォメーションTVやフロントで同サイトを案内し、旅の楽しみである「地元の人とのふれあい」につなげる仕組みを整えている。伊勢ならではの食や文化に歩いて触れられる環境を活かし、ホテルが地域活性のハブとなることも期待される。

朝食には、地元の野菜、米、味噌、パン、鰹節など、伊勢の自然と文化を象徴する素材を用いた料理を提供。アーティストの個展やイベントを通じて地域と交流する機会も設けられ、宿泊者・来訪者双方にひらかれた文化の場として機能することを目指す。

アート、地域文化、そして旅の体験が重なり合う新しい「宮町の拠点」として、今後どのような創造的な循環が生まれていくのか注目したい。
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