「嗅ぎたばこ」の歴史を紹介するとともに、世界の様々な「嗅ぎたばこ入れ」を展示する展覧会「嗅ぎたばこ入れ 人々を魅了した小さな容器」が、東京・墨田区のたばこと塩の博物館で開催されている。会期は12月22日まで。
たばこにはパイプやきせる、シガレットのような喫煙形態のほかに、「嗅ぎたばこ」という楽しみ方がある。粉末状にしたたばこの葉を鼻から直接吸い込んで嗜むもので、もともとはアメリカ大陸先住民の風習だったが、大航海時代以降ヨーロッパに伝わり、その後中国などのアジア各国にも広まった。
嗅ぎたばこを保管・携帯する容器は「嗅ぎたばこ入れ」と呼ばれ、金属、木材、ガラス、貴石など様々な素材でつくられ、容器の形状にもいくつか種類がみられる。日本ではあまり馴染みのない「嗅ぎたばこ入れ」だが、フランスのルーヴル美術館や台湾の故宮博物院など世界の美術館・博物館のコレクションとして収められるなど、その美術工芸品としての評価は高い。
本展では、嗅ぎたばこの歴史を文献や版画、参考図版などを通して紹介するとともに、フランスをはじめとするヨーロッパのスナッフボックスやスナッフボトル、中国の鼻煙壺、その他の地域のさまざまな嗅ぎたばこ入れを展示。約280点の作品を通してその多彩な魅力を紹介している。
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