XR表現を探求するアーティスト・クリエイターを支援する公募プログラム「NEWVIEW OPEN CALL 2023」の募集が8月4日より始まった。
2018年よりスタートした「NEWVIEW」は、株式会社Psychic VR Lab、株式会社パルコ、株式会社ロフトワークによる共同プロジェクトだ。今年から新たに設立された「NEWVIEW OPEN CALL」は、アーティスト・クリエイターに新たなリアリティのあり方を提示する創作活動の機会を提供するもの。そのプロセスとアウトプットを社会へのインストールすることで、新たな文化・ライフスタイルの実現を目指すという。
公募を行う企画テーマは「ワークショップなどを通じて社会的な運動として拡張するプロジェクト型の作品」「新しいカルチャーシーン形成を目指す、音楽、映像、パフォーマンス領域の表現開発」「新しいリアリティの獲得について文化人類学、民俗学、社会学、心理学などの視点で探求するリサーチベースの作品やプロジェクト」の3つだ。公募・選考によって選ばれた「NEWVIEWアソシエイト・アーティスト」は、企画の具体化と発表、創作プロセスの公開やワークショップ、トークイベントなどを実施し、NEWVIEWのパートナーとして活動。その最終成果は、12月に開催予定であるXRの祭典「NEWVIEW FEST」にて発表されるという。
現実が仮想を模倣する。
一見してこれは奇妙な言葉だろう。仮想が現実を模倣しているのではないか? しかし、翼を読みかえて飛行機を生み、旬の果物で得られる甘味をお菓子にして時間を止めたように、非連続的な発明や文明の発展は、想像の世界を現実に落としこみ、ヴァーチャルを実装してきた積み重ねにより成り立つ。デジタルの有無に関わらず、ヴァーチャルなリアリティこそが現実を拡張する。
街中のホログラム、スマートフォン越しのAR、乱立するデジタル国家……thisもthatもnowもthenもなく、人々が紡ぐ想像力と仮想がお互いの世界を拡張し合い、同じリアリティの中に存在することが可能になった時代。NEWVIEWもこうした流れの中で生まれ、デジタル空間と現実の間で、いかに世界を読みかえることができるかに挑戦してきた。それは個々人をそれぞれのリアリティにログインさせることだったとも言える。
NEWVIEWが次に多くの人々をログインさせたいのは、社会そのものだ。社会に仮想を立ち上げ、新しい視点を加え、現実そのものを拡張したい。混沌とした世界に道標を、より良い未来を引き寄せるヴィジョンを。システムも国境も、すべては誰かが描いた物語。なのであれば、NEWVIEWから生まれる物語を次々と社会に実装していこう(「NEWVIEW OPEN CALL 2023」ステートメントより)。
また第1回となる今回は、メンターおよび審査員を、NEWVIEWが主催するグローバル・アワード「NEWVIEW AWARDS」で2019年から毎年審査員長を務めてきた宇川直宏が担当。採択アーティスト・クリエイターは、今年の9月上旬に発表される予定だ。