かご造形がつくりだす美。福田笑子の個展「BASKETRY」が京都の「GALLERYGALLERY」で開催

京都・河原町の「GALLERYGALLERY」で、線状の繊維素材をかごのように編んだ立体作品を制作してきた福田笑子の個展「BASKETRY」が開催される。会期は10月30日〜11月14日。

福田笑子 凹凸の角 2021 苧麻、モノフィラメント、シリコン、ビニール 36×28×28cm

 京都・河原町の「GALLERYGALLERY」で福田笑子の個展「BASKETRY」が開催される。会期は10月30日〜11月14日。

福田笑子「BASKETRY」(2021、GALLERYGALLERY、京都)の展示風景

 福田は1977年兵庫県生まれ。1999年早稲田大学卒業後、同年にバスケタリーの第一人者である関島寿子の作品に出会い、斬新な構造と抽象的な造形美に魅了された。以後、かごづくりを学びつつ、大阪芸術大学大学院で染織を専攻。2012年より大学で非常勤講師をするかたわら、アメリカ、イタリア、カナダ、韓国など国内外でバスケタリーの作品を発表している。現在、神戸芸術工科大学非常勤講師。

福田笑子 Twisted Loop 2021 苧麻、モノフィラメント、ビニール、シリコン 26×30×16cm Photo by Yano Makoto

 今回の個展「BASKETRY」では、2019年から2021年に制作した作品を展示する。「BASKETRY(バスケタリー)」とは、英語でかごづくりを意味するとともに、繊維素材を使った造形方法としての新たなニュアンスが含まれている。

福田笑子 曲がり角 2021 苧麻、モノフィラメント、シリコン、ビニール 33×28 ×13㎝ Photo by Yano Makoto

 福田は「かごを編む」技法から発想を得て、線状の素材を編んで立体をつくってきた。螺旋状に編む「コイリング」に着目し、繰り返し芯材に繊維を巻く行為によって、編み目の軌跡と線による構造を表出させ、視覚的なリズムを与える。また、素材や編み方に条件を設定することで、予測できないねじれや回転が生じ、線の秩序とともに、不安定な感覚が混在する形態を探求している。

福田笑子 交差螺旋Ⅷ 苧麻、モノフィラメント、シリコン 12×17×10cm Photo by Yano Makoto

 本展では歪んだ面に角を立てて、部分的に回転させた《曲がり角》や、交差する線の相互作用によって螺旋とねじれの構造をもつ「交差螺旋」シリーズなどの作品を展示。ぜひ会場で、福田作品の素材と構造を体感してほしい。

福田笑子「BASKETRY」(2021、GALLERYGALLERY、京都)の展示風景 Photo by Yano Makoto

編集部

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