日本と台湾の文化交流そして親善をより深めることを目的に、両国のアーティストやクリエイター、デザイナーが参加する文化交流事業「Taiwan NOW」(台湾ナウ)が、東京、バーチャル会場(オンライン)、そして台湾・高雄で行われる。
今回の交流事業のテーマは「花と祝福」。「ともに花を咲かせよう」をコアコンセプトとし、芸術創作における深い綿密な対話と共作により、来たるべきポストコロナ時代にふさわしい様々なプログラムを開催する。
東京・丸の内にある商業施設・KITTEでは、10月30日から11月14日の会期で台湾を代表する現代美術作家・林明弘(マイケル・リン)と日本の建築界を牽引するアトリエ・ワンの協働による大規模インスタレーション《Untitled Gathering(Tokyo 2020)》の展示や、アーティストの李明維(リー・ミンウェイ)がミャンマー旅行からインスピレーションを得たパフォーマンス《如実曲径/私たちのラビリンス》が展開される。
初日には、振付師の蔡博丞(ベンソン・ツァイ)によるオープニング特別ダンス公演 《浮花/フローティング・フラワーズ》も開催。加えて、会期中には台湾のデジタル担当大臣の唐鳳(オードリー・タン)らをゲストに迎え、台湾のいまを紹介するオンライントークイベントや、ギタリスト・渥美幸裕のコンサートなどのスペシャルプログラムも行われる。
東京会場と同時に、音楽会や映画上映などのプログラムはバーチャル会場で開催。参加者がバーチャルな花園のなかをさまよいながら、没入型の音楽体験を楽しむとともに様々な色のブロックや祈りの言葉に触れることができる《みんなの花》は、オープニング作品としてオンライン上でインタラクティブな体験ができる。
バーチャルコンサートホールでは、台湾アーティストを軸に、海、山、土地という 3 つのテーマに基づいた音楽会《台湾人》を上演。バーチャル劇場では、音楽家の張洪泰(アレックス・チャン)と曾國宏(クォホーン・ツェン)の共同作品《三魂の途》を、バーチャル映画館では、許家維(シュウ・ジャウェイ)や許哲瑜(シュウ・ツェユー)、張徐展(ジャン・シュウジャン)などのアーティストによる作品を映像、ショートフィルム、アニメーションの 3 部門に分けて上映する。
そして12月25日には、台湾・高雄の衛武営国家芸術文化センターの野外劇場で若手現代サーカスアーティスト・楊世豪(ヤン・シーハオ)によるパフォーマンス《非凡な普通の人に》で幕が開き、日本の美術家であるやなぎみわが演出・脚本を務め、日台のアーティストが共同で手掛ける現代アートの美学×オリジナル歌仔戯(台湾オペラ)×蘭の移動式インスタレーションによる演劇《アフロディーテ〜阿婆蘭(アポーラン)〜》の世界初演が行われる。
そのほか、「花」をテーマに台湾と日本の友情を表現し、台湾デザインを紹介する展覧会「未来の花見:台湾ハウス」が、キックオフ・プロジェクトとしてGOOD DESIGN Marunouchiにて開催(10月2日〜17日)。約2ヶ月にわたり、日台を代表するアーティストやクリエイター、デザイナーによる多彩なプログラムを実会場とバーチャル会場で堪能してほしい。