今回で7回目を迎え、 新進作家の動向を反映する公募コンクールとして定着しつつある「FACE 損保ジャパン日本興亜美術賞」。その入選者と受賞者が発表された。
同賞は、「年齢・所属を問わず、真に力のある作品」を公募し、世界に羽ばたく人材を発掘するというもの。870名の応募があった今回は、その中から入選者71名を選出。さらに各賞の受賞者9名が決定した。
グランプリを受賞したのは、庄司朝美の《18.10.23》(2018)。庄司は1988年福島県生まれで、2012年に多摩美術大学大学院を修了。これまでトーキョーワンダーウォール2015でトーキョーワンダーウォール賞を受賞、第11回大黒屋現代アート公募展(2016)では入選するなどの実績を重ねている。
続く優秀賞は、古橋香《汽水域のドローイング》(2018)、松崎森平《東京》(2018)、奥田文子《untitled》(2018)の3名が受賞。読売新聞社賞には中矢篤志《アイコソハスベテ》(2018)が輝いた。
なお本賞の審査員を務めたのは、堀元彰(オペラシティアートギャラリー チーフ・キュレーター)、山村仁志(東京都美術館学芸担当課長)、野口玲一(三菱一号館美術館学芸員)、椿玲子(森美術館キュレーター)、中島隆太(東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館館長)の5名。中島を除く4名の審査員が選んだ審査員特別賞は、谷崎桃子《Lovers and object as outsiders in the bedroom》(2018)、桶本理麗《滝》(2018)、小田瀧秀樹《虚空の徒花(あだばな)》(2018)、小川幸二《ミミナリ》(2018)に贈られた。
会期中にはこれらの受賞作に加えて、観覧者投票による「オーディエンス賞」も選出。多彩なメディアや技法の作品が揃うこの展覧会に足を運んでみてほしい。
なおグランプリ受賞作品は東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で所蔵され、次回のFACE展2020にて展示。またグランプリおよび優秀賞の4作家は、2022年に開催予定の12名グループ展「絵画のゆくえ」にも作品を出品する。