遠近法を超えた独自の絵画世界。宮本穂曇個展に見る「距離」

東京オペラシティ アートギャラリー4Fのコリドールで、1986年東京生まれの画家・宮本穂曇の個展が開催される。会期は1月13日〜3月25日。

宮本穂曇 Mt. T キャンバスに油彩 162.0×130.3cm 2017Photo by OKANO Kei

 宮本穂曇(みやもと・ほずみ)は1986年東京都生まれの画家。2011年に多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻を卒業し、近年ではLOOP HOLEで個展「見えていたはずの素晴らしい出来事」(2015、東京)を開催するほか、アキバタマビ21の「断片から景色」(2016、東京)など多数のグループ展に参加した。

 宮本は、インクが減った状態のカラープリンターを使用して制作を行う。また、あえて普通紙で印刷した写真を用い、視点や時間をずらして同一の対象を撮影した写真を合成しながら構図を決定。遠近法を逸脱し、遠景、中景、近景の関係が不明瞭な作品を描く。

 「関係ないものどうしの関係性、その間にある余白の出来事、無意識に失われ、つくられていく他との距離、不可視の距離」に関心があると話す宮本。本展は、作家が生み出す独自の絵画世界を楽しむことができる展覧会となっている。

編集部

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