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2021.12.6

バンクシー《Love Is in the Air》を1万個のNFTに分割して販売。「Particle」社の新取り組みが目指すものとは?

既存の美術作品の所有権をNFTの集合体に変換して分断することで、複数の人が作品の所有権を共有できるようにする会社「Particle」。同社が第1弾のプロジェクトとしてバンクシーの《Love Is in the Air》を1万個のNFTに分割して販売する。

バンクシー Love Is in the Air 2005 出典=Particleのウェブサイトより

 クリスティーズ現代美術部門の元責任者であるロイック・グゼールが今夏新たに設立したNFTの取引を行う会社「Particle」。

 同社は、既存の美術作品の所有権を「パーティクル」と呼ばれるNFTの集合体1万個に変換して分断することで、数千人が特定の作品の所有権を共有できるようにするもの。その第1弾のプロジェクトとして、今年5月のサザビーズにて1290万ドルで落札したバンクシーの《Love Is in the Air》を1万個のNFTに分割し、それぞれの部分をユニークなパーティクルで販売する。

 販売期間は2022年1月10日からの4日間で、各パーティクルの価格は約1500ドル。販売されたパーティクルは他のNFTマーケットプレイスでふたたび流通することも可能だという。

 物理的な作品は、作品の管理・保存・展示を行う非営利団体「Particle Foundation」で恒久的なコレクションとして収蔵。また、個人がすべてのパーティクルを買い占めることを防ぐため、同団体は1パーセントのパーティクルを所有し、パーティクルの再販による収益の一部も同団体に還元されるという。

 同社の共同設立者であるシンゴ・ラヴィーンは声明文で、「Particleは、独自のプロセスにより、作品を壊すことなくデジタル化することを実現している。NFTは、これまで存在し得なかった新たな所有形態を可能にするもの。Particleを使えば、誰でも、どこにいても、素晴らしい作品のオーナーになることができる」とコメント。

 また、Particle Foundationのディレクターであるシャーロット・アイタンは、「私たちにとって重要なのは、芸術作品を実際に手に取って楽しむことだ。《Love is in the Air》をはじめ、その後に購入したすべての作品をParticle Foundationに預けることで、作品が永遠に保存され、誰もが楽しめるようになることを保証できる」と語っている。