パリに本社を置くメガギャラリー・ペロタンが、セカンダリーマーケットへと乗り出す。
アートマーケットにおいては、ギャラリーによるアート作品の一次流通を「プライマリーマーケット」と呼ぶ。いっぽう、すでに一回流通されたアート作品がふたたびギャラリーやオークションを通じて取引される二次流通は、「セカンダリーマーケット」と呼ばれる。
ペロタンはこのセカンダリーマーケットに関し、パリのアートアドバイザーであるトム・デイヴィッド・バストーク、ディラン・レッセルと連携し、2021年初頭にパリの8区にセカンダリーマーケットに特化した新しいスペースをオープン。5階建ての建物を使うこのスペースは、パリのアートフェア「FIAC」の会場であるグラン・パレ、クリスティーズやサザビーズなどのオークションハウスのパリ支社からもほど近い。
エマニュエル・ペロタンは、今回の取り組みについてこう述べている。「このパートナーシップを嬉しく思う。この新しい部門は、当ギャラリーが数年前から追求してきた活動、とくにエステートとの仕事の自然な延長線上にある。広大なスペースを自由に使えるこの部門は、当ギャラリーの6つのスペースとそのチームやネットワークを組み、コレクターの皆様につねに最高のサービスを提供できるようになる。また、私たちが扱うアーティストは、特別なプロジェクトの際には、この新しい取り組みに加わることもできる」。
バストークは2010年、アート作品の共同所有権を取得することを提供するプラットホーム「My Art Invest」を設立。その後、ジョルジュ・マチュー財団と契約し、その代理としてペロタンなどのギャラリーに作品販売を委託するなど、セカンダリーマーケットで活躍を見せている。
いっぽう、18年までにパリのカメル・メヌールギャラリーでディレクターを務めたレッセルは、これまで個人コレクションの開発や様々なアートプロジェクトに携わってきた。
そんなふたりは19年にチームを組み、ジョルジュ・マチューとアラン・ジャケの財団を管理している。今回ペロタンとの連携について、彼らは共同声明文で次のようにコメントしている。「今回のギャラリーのオープンにより、我々が美術品市場での地位を強化し、美術品の買取・再販の専門家としての活動をさらに強化することが可能になる。エマニュエル・ペロタンとの提携により、パリが国際的なアートシーンにおいて重要かつ決定的な地位を取り戻しつつあるいま、パリのセカンダリーマーケットに特化した空間をコレクターの皆様に提供できることを嬉しく思う」。