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「フリーズ・ロンドン」、プログラムの詳細が発表。オフラインのイベントも

新型コロナウイルスの影響でオンラインへの移行を余儀なくされたイギリス最大級のアートフェア「フリーズ・ロンドン」と「フリーズ・マスターズ」。その詳細が発表された。

フリーズ・ビューイング・ルームのイメージ

 新型コロナウイルスの影響でオンラインへの移行を余儀なくされたイギリス最大級のアートフェア「フリーズ・ロンドン」と「フリーズ・マスターズ」が、今年のプログラムの詳細を発表した。

 2003年にロンドンのリージェンツ・パークに設立されたフリーズ・ロンドンは、00年以降に制作された作品をメインに紹介し、最新の現代美術に焦点を当てるアートフェア。いっぽう、その姉妹フェアであるフリーズ・マスターズは12年に初めて開催。00年以前のすべての作品を対象にすることで、伝統美術と現代美術との関係性を探る。

フリーズ・マスターズ2019の様子

 ふたつのフェアのほか、世界中のアーティストによる彫刻作品を屋外で展示する「フリーズ・スカルプチャー」や、地元の美術館や組織と連携して行う展覧会やパフォーマンス、トークプログラムなども、いわゆる「フリーズ・ウィーク」の大きな特徴だ。

 そんなフリーズ・ウィークのメインプログラムは今年、「フリーズ・ビューイング・ルーム」(FVR)という名前で10月7日〜16日(7日、8日はVIPプレビュー)にオンラインで開催。今年5月に予定されていた「フリーズ・ニューヨーク」の中止を受けて設立された初回のFVRには、200以上のギャラリーが参加し、156の国や地域の視聴者がアクセスしたという。

フリーズ・ビューイング・ルームのイメージ

 2回目の開催となるFVRでは、250以上のギャラリーがバーチャル・プラットフォームで作品を展示。それぞれのギャラリーは、最大36点の作品を同時に展示することが可能で、会期中には展示作品を変更することもできる。また、AR(拡張現実)やライブ・チャットなどの機能も搭載される。

 そのほか、設立15年未満のギャラリーに注目する「Focus」や、20世紀のアーティストを個展形式で紹介する「Spotlight」、そして今年新たに設立されるキュレーション・セクション「Possessions」もFVRを通じて鑑賞することができる。

「フリーズ・スカルプチャー」で展示予定のリチャード・ロング《Circle for Sally》(2016) © Richard Long; Courtesy Lisson Gallery. Photography by Jack Hems.

 メインプログラムはオンライン上だが、リアルな会場でもイベントが行われる。例えば、リージェンツ・パークではフリーズ・スカルプチャーが10月5日〜18日に開催され、リチャード・ロングやレベッカ・ウォーレンなどによる彫刻作品が登場(それらの作品はFVRでも見られる)。また、テート・モダンでの「ブルース・ナウマン」展をはじめ、様々な展覧会やトークイベントは会期中にロンドン市内のパートナー美術館やギャラリーで開催される。

フリーズ・ビューイング・ルームのイメージ

 フリーズ・ロンドンのアーティスティック・ディレクターであるエヴァ・ラングレットは、「オンラインでもオフラインでも、今回のフリーズ・ロンドンで行われる展覧会や、参加アーティストとギャラリーが見せてくれた独創性に非常に興奮している」としつつ、「今年は、これまで以上にアートを必要としているコミュニティを支援するために、オンラインで世界中のオーディエンスとロンドン市内の鑑賞者を集結することを約束する」とコメントしている。

 また、フリーズ・マスターズのアーティスティック・ディレクターであるネイサン・クレメンツ=ガレスピーはこう続ける。「フリーズ・マスターズ2020は、古代から20世紀まで、あらゆる年代の美術品を対象とした初のオンライン・アートフェア。オールドマスターや古美術品のディーラーが、現代美術のディーラーと並んでテクノロジーを取り入れ、ビデオを使ってバーチャルウォークスルーを行うことで、私たちのプラットフォームを最大限に活用していることは、とてもエキサイティングなことだ」。

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