“ものの中の空間を見せる”
藤堂の個展「バウ / バウ」

かつて別の空間を構成していた建築物の一部を作品の素材に用い、彫刻の存在によって、周囲の空間の質を変えることを目指す、彫刻家・藤堂の個展が開催される。会期は11月24日〜12月23日。

Schloss Honhardt( ホンハルト城)( 部分) レンガ、積層ガラス

 彫刻家・藤堂は関東大震災で倒壊した建物のレンガや、ベルリンの壁といった特殊な来歴を持つ瓦礫や鉱物などと、積層ガラスを組み合わせた作品で知られている。また、日常的に描き継いでいる大量のドローイングや、木箱を “小さな空間” ととらえ、無数に組み上げたインスタレーションなど、その作品のヴァリエーションは多岐にわたる。

 

o.T. - Kisten 2017

 本展のタイトル「バウ / バウ」は、ドイツ語で「解体」や「撤去」を意味する「Abbau」、「建造」や「構造」の意味を持つ「Aufbau」という2つの単語を示している。会場では、建築工事用の足場を用いて空間を再構成するインスタレーションを軸に展開。ギャラリー空間に対するダイナミックな建築的アプローチとともに、藤堂の創造の源でもある、「素材」や「空間」を取り巻く刺激的な世界を体験できる機会となるだろう。

編集部

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