あいちトリエンナーレ2019、テーマは「情の時代 Taming Y / Our Passion」に決定

2019年に開催される「あいちトリエンナーレ2019」のテーマが「情の時代 Taming Y / Our Passion」となることが発表された。

「あいちトリエンナーレ」公式サイトより

 2019年に第4回目を迎える「あいちトリエンナーレ2019」。そのテーマが「情の時代 Taming Y / Our Passion」になることが発表された。

 今年の7月に、ジャーナリスト・津田大介が芸術監督に就任することで大きな話題を呼んだ「あいちトリエンナーレ2019」。これまで同トリエンナーレでは、「都市の祝祭」(2010)、「揺れる大地 - われわれはどこに立っているのか:場所、記憶、そして復活」(2013)、「虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅」(2016)をテーマに開催を重ねてきたが、今回のテーマ「情の時代 Taming Y / Our Passion」にはどのような意味が込められているのだろうか。

 津田は今回のコンセプトについて「政治は可能性の芸術である」というドイツの政治家、オットー・フォン・ビスマルクの言葉を引用し、次のようなコメント(一部抜粋)を残している。「たとえ守りたい伝統や理念が異なっても、合理的な選択ではなくても、困難に直面している他者に対し、とっさに手を差しのべ、連帯することができる生き物である。いま人類が直面している問題の原因は『情』にあるが、それを打ち破ることができるのもまた『情』なのだ」「われわれは、情によって情を飼いならす(tameする)技(ars)を身につけなければならない。それこそが本来の「アート」ではなかったか。アートはこの世界に存在するありとあらゆるものを取り上げることができる。数が大きいものが勝つ合理的意思決定の世界からわれわれを解放し、グレーでモザイク模様の社会を、シロとクロに単純化する思考を嫌う」。

 愛知という場所について、「近代以降、日本のものづくり産業(ars)をリードし続けた愛知という地域は、都市であり地方であり、『普通の日本人』だと自認する人々が暮らす非凡な社会である」としている津田。このトリエンナーレが、果たしてどのような舞台を見せるのか。参加アーティストなど、今後の動向に注目したい。

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