ティナリはUCCA退任後、2月23日付で香港の歴史文化複合施設「大館(タイクン)」において、副館長兼アート部門統括に就任する。館長のティモシー・カルニンと協働し、現代美術施設「大館コンテンポラリー」を軸に、ヘリテージ、現代美術、パフォーミングアーツを横断する長期的な芸術ビジョンの形成を担う予定だ。
就任に際しティナリは、「大館の成長を長年注視してきた。次の章に関われることを心から楽しみにしている」と述べ、国際的な発信力の強化と、地域コミュニティとの関係深化に意欲を示した。カルニンもまた、北京でUCCAを世界的機関へと導いたティナリの実績を評価し、「2028年の開設10周年以降を見据える大館にとって、重要な戦力となる」と期待を寄せている。
今回の人事は、UCCAを取り巻く厳しい経営環境とも重なる。2025年7月、香港の英字紙『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)』は、UCCAが約6ヶ月にわたり賃金支払いを遅延させていた疑いがあると報じたほか、上海拠点「UCCA Edge」では展覧会の活動が停滞し、今後の計画が不透明な状況にあると伝えた。北京・798芸術区における賃貸条件の厳格化、チケット収入の減少、国際輸送費の高騰なども、財務状況を圧迫しているという。
UCCAのトップ交代とティナリの香港移籍は、中国本土における経済減速という構造的背景のもと、現代美術機関の運営モデルが転換期を迎えていることを示す動きと言えそうだ。
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