開館に合わせ、2つの主要展覧会が開催される。ひとつは「Rotterdam in Focus: The City in Photographs 1843–Now」。1843年から現在まで約180年にわたるロッテルダムの都市景観の変遷を、300点以上の作品を通して紹介する。ハンス・アールスマン、エーファ・ベスニョー、カス・オールトハイス、オットー・スヌークなど、同市ゆかりの写真家の代表作が並ぶ。

Nederlands Fotomuseum © Cas Oorthuys/Nederlands Fotomuseum
もうひとつは「Awakening in Blue: An Ode to Cyanotype」。古典技法サイアノタイプに焦点を当て、19世紀の初期作品とあわせて、エコロジー、植民地史、身体表現などをテーマとする現代アーティスト15名の新作を展示する。

Collection Rotterdam City Archives
また、オランダ写真史を代表する99点を紹介する「Gallery of Honour of Dutch Photography」も新展示として再公開される。アントン・コービン、ダナ・リクセンバーグ、エド・ファン・デル・エルスケン、リネケ・ダイクストラ、エルウィン・オラフらの重要作品が揃い、100点目のみ来館者投票によって選出される。
オランダ写真美術館は2003年の開館以来、オランダ写真の保存・研究の中心を担い、とくに20世紀のアナログ写真およびドキュメンタリー写真を軸に25年以上にわたりコレクションを拡充してきた。収蔵点数は2028年までに750万点に達する見込みで、世界でも屈指の規模となる。
今回の移転により、同館はコレクション公開の拡充、保存環境の強化、市民・地域コミュニティとの連携深化を図り、「誰もがアクセスできる写真文化プラットフォーム」としての役割をさらに高めていく方針だ。
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