アカデミー映画博物館がロサンゼルスにオープン。こけら落としは宮崎駿のアメリカ初となる回顧展

9月30日(日本時間10月1日)、アメリカ・ロサンゼルスのミラクルマイルにアカデミー映画博物館がオープンする。オープニング展覧会には宮崎駿のアメリカ初の回顧展「Hayao Miyazaki」などがラインナップされる。

上空から撮影したアカデミー映画博物館 (c)Academy Museum Foundation

 9月30日(日本時間10月1日)、アメリカ・ロサンゼルスのミラクルマイルに、アカデミー映画博物館がオープンする。

 同館はプリツカー賞を受賞した建築家であるレンゾ・ピアノが、レンゾ・ピアノ・ビルディング・ワークショップと共同で設計し、建設設計事務所のゲンスラーが建設を担当。映画製作の従事者と、芸術科学に特化した米国最大の施設となる。

アカデミー映画博物館の外観 Photo by Josh White, JW Pictures / (C) Academy Museum Foundation

 ギャラリースペースは約4645平米を誇り、なかでも同館の中核となる「Stories of Cinema(映画の物語)」は、3階分のギャラリーで展開。おもにアカデミー映画博物館と映画芸術科学アカデミーのコレクションから集められたアーカイブ映像、衣装、展示品を通じて、映画の歴史を紹介する。

「歴史」ギャラリー (C) Academy Museum Foundation / Image by WHY Architecture

 博物館の4階にある約1100平米の企画展示スペースでは、オープニング企画展となる宮崎駿のアメリカ初の回顧展「Hayao Miyazaki」を開催。オリジナルのイメージボード、キャラクター・デザイン、絵コンテ、レイアウト、背景画、ポスター、セル画など300以上の展示資料のほか、ワンシーンの大規模上映や没入型環境を通じ、宮崎アニメの世界を堪能できる展示が行われる。

宮崎駿 『となりのトトロ』イメージボード 1988 (C)1988 Studio Ghibli

 ほかにも、映画誕生前の光学玩具や装置の世界有数のコレクションを展示する「The Path to Cinema(シネマへの道): リチャード・バルツァー コレクションハイライト」や、アルフレッド・ヒッチコック監督『北北西に進路を取れ』に登場するラシュモア山にスポットを当てた「Backdrop: An Invisible Art (バックドロップ:見えざる芸術)」などが開催。

 また、館の「シドニー・ポワチエ ・グランドロビー」にある無料の「スピルバーグ ・ファミリー ギャラリー」では、リュミエール兄弟から現代までの映画の歴史を、複数のスクリーンを使ってアカデミー映画博物館の展示物をダイジェストで紹介。

スピルバーグ・ファミリー・ギャラリー (C) Academy Museum Foundation / Image by WHY Architecture

 ほかにも、ハリウッドのドルビー・シアターのステージでアカデミー賞受賞の体験ができるプログラム「The Oscars® Experience (オスカー体験)」や、35mm、70mm、レーザー・プロジェクション、ナイトレートによる上映を毎日行う1000席の「デヴィッド・ゲフィン・シアター」などが備えられる。

オスカー像のギャラリー (C) Academy Museum Foundation / Image by WHY Architecture
アカデミー映画博物館、デイビッド・ゲッフェンシアター Photo by Iwan Baan / (C) Iwan Baan Studios, Courtesy Academy Museum Foundation

 シアターでのオープニングプログラムは、『オズの魔法使い」(アメリカ、1939年)を、アカデミー賞ノミネート経験のあるデビッド・ニューマンが指揮するアメリカン・ユース交響楽団の生演奏をバックに上映。その後も開館後3ヶ月間、115本以上の映画上映、ディスカッション、その他プログラムを実施する。

編集部

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