女性たちを痛いほどの共感の渦に巻き込んだ韓国Netflixシリーズ『わかっていても』を、神奈川・鎌倉の美術大学を舞台にリメイク。特別臨時講師として海外から赴任してきた天才芸術家で、誰もが近づきたくなる吸引力と誰にも深入りさせないミステリアスな魅力を併せ持つ蓮を横浜流星が演じ、同じ美術大学の彫刻学科で助手を務め、憧れと嫉妬と悔しさを混ぜたような感情を蓮に対して抱く美羽を南沙羅が演じる。
『四月の永い夢』『わたしは光をにぎっている』といった作品モスクワ国際映画祭に正式招待されるなど、自然や人物の美しさを引き出した映像美と、心情の機微を捉えた精緻なストーリーテリングにより国内外で注目される中川龍太郎が監督と脚本を手がけた。
エグゼクティブ・プロデューサーの藤井道人から、「韓国ドラマの『わかっていても』を原案に、日本のいまの時代にしかつくれない作品にしてほしい」というリクエストを受け、美術大学を舞台とする大人の恋愛劇を描いた。美羽役を演じる南沙良との出会いについて、中川はこう話す。
「彼女が15歳ぐらいの頃から素晴らしい俳優さんだということはよく知られていて、キャスティングが決定する前に実際にお会いしてみると、最後の最後に『これまでの人生において一番好きな本はどんな本ですか』と私に聞いてくださったんですね。それを聞いたときに、この美羽というキャラクターが聞きそうな質問だと思い、ぜひ南さんに美羽を演じていただきたいと思う決め手になりました」。
美術大学を舞台に、アーティストたちの恋愛を描くこのドラマのリアリティを出すために、演出において登場人物たちが手がける作品も重要な役割を果たす。そう考えた中川は、彫刻家の井原宏蕗を彫刻監修に迎え、実際にそれぞれの登場人物に実在するアーティストたちの作品を割り当て、登場人物のキャラクターと作品をマッチングさせるように演出を行った。実際に彫刻学科の助手で作家でもある美羽役を演じた南は、「彫刻家として作業の工程がよりナチュラルに見えるように教えていただき、練習して演じるのは初めてで、難しかったですがとても楽しめました」と話す。
彫刻監修に携わった井原宏蕗は、「普段は基本的にひとりで制作をしていますが、中川監督を中心にチームでリアリティを追求する制作現場に携わることができたのは貴重な経験でした」と話す。イベント終盤には、井原が手がけ、ドラマにも登場する蝶の塑像を焼成した立体作品を主演の南沙良にプレゼントした。
ドラマ『わかっていても the shapes of love』は、12月9日21時よりABEMAとNetflixで配信がスタート。全8話で初回は1〜3話が一挙配信される(12月16日4~5話、12月23日6~7話、12月30日8話で各日21時配信)。