助成金額は最大150万円。展覧会でのアクセシビリティ向上を目指す「東京芸術文化鑑賞サポート助成」が募集中

東京都とアーツカウンシル東京が、「東京芸術文化鑑賞サポート助成」を新たに設立。すべての人々が芸術文化を平等に楽しめる社会の実現を目指すこの取り組みでは、視覚・聴覚サポートを含む鑑賞支援のため、最大150万円の助成金が提供される。

 東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京は、2025年に開催される世界陸上・デフリンピックに向けて、誰もが芸術文化に触れることができる共生社会の実現を目指して、「東京芸術文化鑑賞サポート助成」を行っている。

 この助成は、東京都内で活動する芸術団体や民間団体を対象に、鑑賞サポートを通じて、障害の有無や言語の違いを超えた多様な人々が芸術文化を楽しむことができる環境を整備するための取組を支援するもの。募集は今年5月31日から始まっており、助成金額は最大150万円まで全額助成されるという。

 助成の対象となる事業には、音楽や演劇、舞踊、美術、伝統芸能など、幅広いジャンルの芸術文化活動が含まれる。助成対象経費には、手話通訳やポータブル字幕機の設置、点字・サインの提供、視覚障害者向けの音声ガイドの制作、舞台説明会の実施など、鑑賞をサポートするための様々な取組が含まれる。

 これまでに行われた2回の採択結果では、演劇や歌舞伎、コンサート、ミュージカル、伝統芸能などのジャンルの公演においてバリアフリー字幕や手話通訳、音声ガイドなどの鑑賞サポートが導入された。とくに、視覚や聴覚に障害を持つ人々が公演を楽しめるよう、上演時の視覚情報支援や聴覚情報支援、また事前の舞台説明会などが実施され、芸術文化へのアクセシビリティが大幅に向上している。

 しかしながら、美術館やギャラリーでの展覧会やワークショップにおける申請が少ない。これまでに採択された28件の事業のなかに、美術館関連のものは1件も含まれておらず、展覧会における手話通訳付きツアーや視覚障害者向けの触れる模型、音声ガイドなど、美術鑑賞のインクルーシブ化に取り組む団体は限られている。美術分野でも鑑賞サポートを充実させ、より多くの人々に芸術文化を楽しんでもらうために、この助成制度を活用してみてはいかがだろうか。

編集部

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