「ポンピドゥー・センター2030」とは何か? 日仏アーキテクトによる大規模改修案に注目【2/2ページ】

採択された改修案

 モロークスノキ建築設計は、それぞれ坂茂、隈研吾・SANAAといったフランスでも人気の日本人建築家の事務所を経験した楠寛子とニコラ・モローが2011年パリに開いた建築事務所だ。2015年にグッゲンハイム・ヘルシンキの国際設計コンペで一等を獲得し、世界的な注目を集めた(未建設)。2019年にはオーストラリア・シドニーの新しい美術館「パワーハウス・パラマタ」の国際建築コンペでも勝利し、25年の開館を予定している。地元パリでは、奇しくもレンゾ・ピアノ設計の建築と接続する「パリ高等裁判所広場」を20年に、「パリ政治学院」を21年に竣工するなど、社会性・公共性の強い建築を多く手掛けながら、大規模建築と都市生活における人間性との「間」を埋める視座を大切にしている(*1)。

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